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水分補給は十分ですか?
健康な身体を維持するために必要なものは何でしょうか。すぐに思いつくのは栄養バランスの良い食事や適度な運動などでしょう。それらが重要であることは言うまでもありません。でもその前に、もっと基本的なことを忘れていませんか? それは毎日何気なく摂取している水分です。人間の身体の約六割を占める水分は、栄養の循環や老廃物の排出、体温や血液濃度の調整など、生命維持の基礎となる大変重要な役割を果たしています。ところが、一日に必要な水分量を十分に摂取できておらず、また、そのことに気付いていない人が意外と多いのです。結果として慢性的な水分不足の状態となるため、普段から健康に気をつけているつもりでも、意外なところで体調を崩してしまう場合が多々あります。もちろん水を飲むだけで健康になれるわけではありませんし、病気が治るわけでもありません。しかし、正しく水分を摂取することは身体の基礎を整えることにつながります。言い換えれば、身体を健康になりやすい状態へと調整することができるわけです。ただ、むやみに水を飲んでもあまり意味がありません。まずは水のことを知り、無理なく水を飲み続けていくことが大切なのです。 水分の役割とは? 人間の身体の約六割は水分で構成されていますが、これらの水分はいつでも同じ場所にとどまっているわけではありません。体内に吸収された水分は常に移動を繰り返し、血液の流れと共に全身を循環して以下のような重要な働きをしています。 ■ 体内での消化吸収に使われる 食物は消化されることにより化学変化を起こし、様々な栄養素として体内に吸収されてゆきます。この過程で欠かせないのが唾液や胃液などの消化液です。血液として胃や口などに到達した水分は細胞の働きによってこれらの消化液に作り変えらます。唾液の 99% 以上は水分で構成されており、1日に 1,000〜1,500ml 分泌されています。また、胃液も 99% 近くが水分なのですが、塩酸を含んでいるためにおよそ pH1という強い酸性を示します。そして胃液の分泌量は1日に 2,000ml 前後にもなります。 ■ 栄養分を運び不要物を排出する 吸収された栄養素や体内で分泌されたホルモンは、血液の流れに乗って身体の隅々まで運ばれて全身の細胞に送り届けられます。また、体内で不要になった物質も、栄養分と同様に血液の流れに乗って集められています。集められた不要物は腎臓で濾過され、尿として体外に排出されます。しかし、水分量が少なければ尿の量も減少するので、不要物は十分に排出されず体内に残ってしまいます。これが痛風や尿管結石の原因のひとつと言われています。 ■ 血液の濃度のバランスを保つ もともと血液は粘り気が強く固まりやすい性質を持っていますが、水分の不足によって液体成分の血漿が少なくなると、血液が濃縮されてさらに粘度が高くなってしまいます。これがいわゆる血液ドロドロの状態です。この状態になると血流が悪くなるため、心臓に余計な負担をかけてしまいます。また、細胞組織に必要な栄養分や酸素も供給されにくくなり、老廃物も溜まりやすくなります。さらに、ドロドロの血液は細い血管に詰まりやすく、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす主な原因のひとつとなっています。 ■ 体温を一定の温度に調整する 体温が高くなると、人間は汗を流すことで体温を調節します。汗も血液中の水分から作られているのですが、水分不足の状態が数時間続くと十分な発汗ができなくなり、体温が異常に上昇してしまいます。これが夏場によく言われている、熱中症という状態です。 ■ まとめて言うと... 体内における水分の役割とは、基礎代謝を助けて身体の調子を整えることです。水分が不足している時点で、既に身体は機能不全の状態に陥っています。その状態でいくら身体に良さそうなことをしても、まったく無駄とは言いませんが、十分に効果を得ることができないというわけです。せっかく頑張って運動したり栄養補給したりするわけですから、なんだかものすごく勿体ない気がします。 水分不足の症状 身体の臓器や組織が協調的に働いて身体の内部環境を一定に保つことをホメオスタシスと呼びます。例えば、膵臓から分泌されたインスリンが血糖値を一定に保ったり、腎臓が血液を濾過することによって血液や体液の浸透圧、イオン濃度を調整したりすることなどです。人間の細胞は水分で満たされることでその構造を維持しているため、水分量が不足すると細胞は満足に活動することができなくなります。細胞の活動が鈍くなると臓器や各組織の働きも鈍くなり、ホメオスタシスが十分に保たれません。つまり、体内の水分量が不足することによって、身体が機能不全の状態に陥ってしまうわけです。 ■ 水分不足による熱中症 熱中症は水分不足が原因で起こる代表的な症状で、一般に脱水症状とも呼ばれており、医学的には熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病などに分類されます。子供が炎天下で運動や集会をしているときや、車の中に置き去りにされたときなどに起こりやすく、そのまま放置すると命を落とすことさえもあります。特に夏の暑い時期に注意が必要ですが、夏場だけに限られるものではありません。水分を十分に補給しないまま長時間スポーツをしたり、サウナなどで大量に汗をかいたりした場合もまた、非常に熱中症にかかりやすい状態であると言えます。 ■ その他の症状 人間の身体は意外とデリケートにできており、体内の水分量のほんの数パーセントを失うだけでも身体機能が大幅に低下してしまいます。夏場に頭がぼんやりしたり、疲れやすく食欲不振になったりするのは、単に暑さのせいばかりではないのです。これらの症状は、きちんと水分を補給すればある程度防ぐことが可能です。また、たとえ軽微な水分不足の状態であっても、それが何年間も慢性的に続くと様々な病気を引き起こす原因になる恐れがあります。日常的に水分を補給することで、痛風や結石、脳梗塞などの予防にもつながります。 水分補給で病気予防 病気の原因はいろいろありますが、その中でも水分補給と深い関わりのある病気がいくつかあります。もちろん水分だけでなく、食事、運動、生活習慣などの様々な角度から改善してゆくことが理想的なのですが、十分な水分補給だけでも一定の予防効果を得ることができます。 ■ 脳梗塞・心筋梗塞 血管に関わる病気は血液をサラサラに保つことで予防することができます。水分が不足して血液がドロドロの状態になると、血栓と呼ばれる血液の固まりができやすくなります。この血栓が脳内の動脈や冠状動脈に詰まってしまうと、血液不足によって脳や心筋の組織の一部が壊死してしまい、脳障害や心停止などの非常に危険な症状を引き起こします。血液は起床してから3時間ぐらいが最も固まりやすいと言われています。睡眠中は、かなり発汗しているにもかかわらず長時間水分が補給されません。そのため、血液が濃縮されてドロドロした状態になってしまうからです。これを防ぐためには、寝る直前と起きた直後に水を1杯ずつ飲むことが効果的です。また、夏場はもちろんですが、激しいスポーツやサウナなどで大量に汗をかいた場合や、厨房などの暑い場所で働く人にも注意が必要です。一般に、汗を流すということには健康的なイメージがありますが、昨日まで元気だった人が脳梗塞で突然倒れてしまうというのもよくある話なのです。 ■ 痛風・尿管結石 体内の水分量が不足すると尿の量も減少します。尿量が減ると尿酸という物質が十分に排出されず、血液中の尿酸値が過剰になります。この状態になると血液中の尿酸が集まって針状の結晶となり、足の指の付け根などの関節部に付着します。これが痛風特有の激痛を引き起こす原因です。秋になると痛風の症状が現れやすいのは、夏場の発汗により尿量が減少したためであると考えられます。また、尿量が少ないと尿自体も濃縮されるので、尿の酸性度が上がり尿管結石ができやすくなります。体内の不要物や老廃物は尿として体外に排出されるので、尿量が少ないと体内に不要な物質が蓄積されやすくなります。つまり、適切に尿を排出していれば痛風や尿管結石などの予防効果が期待できるというわけです。しかし、一度に大量の水を飲むことはかえって逆効果となります。身体が一度に取り込める水分は 200〜250ml 程度で、それを超えて摂取された水分は体内を素通りするだけです。腎臓は余分な水分の処理に追われ、尿酸などの不要物が処理しきれなくなり、逆に体内に残りやすくなってしまうのです。 ■ 糖尿病 糖尿病は体内のインスリン作用が悪くなって起こる病気なので、体内のホメオスタシスを改善させることが予防につながります。糖尿病になると、血糖値が上がるだけでなく尿量も増えますから血液濃度が高くなってしまいます。少しでも血液濃度を下げるために、水分は積極的に摂取したほうが良いようです。ただし、スポーツドリンクなどには糖分が含まれているため、かえって病気を悪化させてしまうこともあります。水分を補給するときには糖分が含まれていないもの選ぶ必要があります。 ■ 便秘 体内の水分量が少ないと、尿だけでなく便にも影響が出てきます。体内で消化、吸収されなかった食物の残りかすは、大腸を通って便として排出されます。大腸は、再利用できるナトリウム、塩分を調節的に吸収し、カリウムを排出します。そして内容物が約4分の1の容量になるまで水分を吸収し、これによって便はある程度まで固められます。ところが体内で水分が不足すると、大腸はその不足分を補うために便から過剰に水分を吸収します。すると便はさらに硬くなり、腸の働きも鈍くなります。これが便秘の原因のひとつとなります。また、水分不足による大腸の過剰な吸収で、本来は排出されるべき物質が体内に吸収されてしまう場合があります。また、便秘になると便が長期間にわたって腸内に留まるために異常発酵が起こりやすくなります。わかりやすく言えば、腸の中で便がだんだん腐ってゆくわけです。すると腸内の細菌がヒスタミンなどの物質を放出し始め、ますます身体に悪影響を及ぼす結果になります。 水分補給のタイミング いくら水分補給が必要だからといって、ただやみくもに水を飲んでも意味がありません。むしろ内蔵に余計な負担をかけることになり逆効果です。というのは、人間が一度に取り込める水分は 200〜250ml が限界で、それ以上に摂取しても体内を素通りするだけだからです。そこで大切になるのが水を飲む量とタイミングです。 ■ 1日に必要な水分量 人間の体から1日で排出される水分量は、成人でおよそ 2,000〜2,500ml 程度だと言われています。その内訳としては、尿が約 1,000〜1,500ml、便が約 100ml、汗や呼吸などで生理的に失われるものが約 900mlです。一方、食事から摂取できる水分は約 1,000ml、体内でのエネルギー反応により生成される代謝水が約 200〜300ml だということを考えると、飲料水として最低限必要な量は1日約 800〜1,200ml という計算になります。ちなみにこれは安静にしている場合の数値で、身体を動かしている場合には、さらに多くの水分が体外に排出されることになります。ですから、水分補給による効果を十分に得たいのであれば、もう少し多めに飲んだ方が良いでしょう。おおよその目安として1日あたり少なくとも 1,500ml 以上、できれば 2,000ml 程度の水分摂取が目標です。 ■ 睡眠の前後に 200ml ずつ 200ml × 2 = 400ml 睡眠中の発汗量は多いときには 200ml を超えることもありますが、寝ている間は長時間にわたって水分が補給されません。そのために起床直後は特に血液がドロドロして固まりやすくなっており、脳梗塞などの血管障害も午前中に起こりやすいと言われています。これを防ぐには、就寝前と起床後に水分を摂ることが効果的です。寝る前に水分を取ると夜中にトイレに行きたくなるのでは、と思うかもしれません。しかし水分が不足すると尿が濃縮されるので、膀胱が刺激を受けて逆にトイレが近くなってしまうのです。寝る前の水分補給は、尿の濃縮を予防する意味でも有効だと考えられます。 ■ 食事のときに 200ml ずつ 200ml × 3 = 600ml 適度な水分は胃腸を刺激して消化吸収の働きを活発にしますが、水を一度に大量に飲むと胃液が薄まるので消化不良の原因となってしまいます。食事のときはついガブガブと飲んでしまいがちですから、あまり飲み過ぎないように気をつける必要があります。 ■ 入浴の前後に 200ml ずつ 200ml × 2 = 400ml 風呂は一日の疲れを癒してくれますが、入浴中にもかなり大量に汗をかきます。長時間風呂に入っていると、目眩がしたり、吐き気を感じたりすることがあります。ところが、わりとよくあることなので、普通は「のぼせた」と言ってほとんど気にしません。では、風呂でのぼせた状態と熱中症との違いは何でしょうか。大量に発汗して体温が上がり、体調に異常をきたすわけですから、実はほとんど違いがないことに気付くはずです。入浴の前後にも必ず水分を摂るように心がけましょう。 ■ 2時間おきに 200ml ずつ 200ml × 3 = 600ml 外出しているとなかなか難しいかもしれませんが、日中も1〜2時間おきぐらいに水分を補給した方が良いでしょう。例えば朝の10時、昼の3時、夕方の5時といった具合に、食事と食事の間などに少しずつ飲むことをおすすめします。 合計:200ml × 10 = 2,000ml
1日2リットルと聞くと大変そうですが、少しずつでも飲んでいれば意外と簡単に飲めてしまう量なのです。上に書いた以外にも、運動の前後や運動中、サウナに入る前後など、とにかく汗をかいたら頻繁に少しずつ水分を摂るようにしましょう。喉が渇いたな〜と思ったときには既に水分が不足気味です。こまめに少しずつ、毎日続けることが大切です。 何を飲んだら良いのか 水分補給のために何を飲むのかというのは大切なポイントです。基本的には水かお茶が良いと思いますが、中国茶の中には強い利尿作用を持ち、逆に水分を排出してしまうものもありますので注意してください。ひどい下痢や激しい運動で大量に汗をかいた場合のように、水分とエネルギーを大幅に消耗したときにはスポーツドリンクが適しています。ただ、スポーツドリンクには糖分も多く含まれていますから、日常生活で汗をかいたぐらいでは飲まない方が賢明です。風呂上がりにスポーツドリンクを飲んでも太るだけですよ。スポーツの後や風呂上がりと言えばビール!という方も多いと思います。汗をかいた後のビールは格別ですが、ビールをはじめとするアルコール類にも強い利尿作用がることを忘れてはいけません。水分摂取のつもりでビールを飲むと、逆に体内の水分がどんどん排出されてしまいます。ビールに限らずアルコール類を飲んだ後には、同量〜2倍程度の水分補給が必要です。 最近は、各地の銘水や世界のミネラルウォーターなどを扱うウォーターバーなどが注目されているようです。ウォーターバーでも人気が高いのは、やはりミネラル成分が豊富に含まれている硬水のミネラルウォーター。海外ブランドのミネラルウォーターはやや高価なものも多いのですが、毎日続けられるような手頃な値段のミネラルウォーターもいろいろあります。エビアンやヴィッテルなどは特に有名ですね。でも、おすすめは超硬水と呼ばれるミネラルウォーターです。フランス産のコントレックスというミネラルウォーターは硬度が1500以上もある超硬水で、日常では不足しがちなカルシウムが非常に多く含まれているのが特徴です。
コントレックスと同じくフランス産のハイドロキシダーゼというミネラルウォーターは、含有するカルシウム量ではコントレックスに及びませんが、マグネシウムとカリウムが圧倒的に多く含まれているのが特徴です。こちらも硬度1500以上の超硬水です。
ミネラルウォーターとは少し違うのですが、日田天領水という水も人気があるようです。日田天領水はミネラル分を含む pH 7.0-7.5 の弱アルカリ天然水で、活性酸素を除去する活性水素を含むと言われています。活性水素についてはよくわかりませんが、日田天領水そのものは美味しいらしいです。福岡市天神の新天町にある那の福というラーメン屋さんでは、九州各地の水を試したところ日田天領水がダントツにおいしかったので、麺に日田天領水を練り込んでいるそうです。まぁ参考までに。 〜* M E N U *〜
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